九州電力の株主総会が開かれたホテルで、受付をする株主。新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、予防策が講じられた=福岡市(代表撮影)

 九州電力は25日、福岡市内で株主総会を開いた。テロ対策施設「特定重大事故等対処施設(特重施設)」の完成遅れから川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)が停止している問題について池辺和弘社長は、玄海原発(東松浦郡玄海町)の同施設と合わせ、「早期完成を目指して最大限努力する」と強調した。原発の運転停止や、原発の運転期間を原則40年と定めた原子炉等規制法の順守などの定款変更を株主提案したが、いずれも会社側が反対し、反対多数で否決された。

 会社側は、2020年3月期連結決算の純損益が4億円の赤字に陥り、5年ぶりの純損失に転落したことも株主に報告した。

 池辺社長は川内原発の特重施設について「土木・建築工事が9割、設備工事が7割ほど」と工程を説明し、1号機は12月、2号機は来年1月に完成見込みだと説明した。玄海原発は三つに分けて原子力規制委員会に計画を申請中だとし、早期完成を目指すとした。

 株主提案は、川内原発が運転40年を迎えるのを控え、老朽化に伴う不測の事故を防ぐためにも「原則40年」ルールを守り、運転期間を延長せず廃炉にするよう求めた。これについて池辺社長は総会後の会見で「社内で決まったものはない」としつつ、二酸化炭素を排出しない発電方法として、長期的にも「原子力を選択肢の中に入れていかなければならない」と述べた。

 新型コロナの感染拡大の影響もあり、会場を訪れた株主の数は1989年以降最少となる88人にとどまり、所要時間も1時間35分と最短だった。

 「九電消費者株主の会」の木村京子代表(72)=福岡市=は「直接経営者に見解を問う場は株主総会しかない。質疑もかみ合わず、『コロナのため』というが早く終わらせたいだけでは」と批判した。

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