学校教育目標に持続可能な社会の創り手となる児童の育成を掲げる学校も出てきている=唐津市の佐志小

 唐津市は、持続可能な社会づくりのために、国連が掲げたSDGs(Sustainable Development Goals エスディージーズ=持続可能な開発目標)を後期の総合計画や第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略に盛り込み、市職員や教職員への研修を始めている。SDGsの考え方を広く市民に浸透させていく「種まき」はこれからで、取り組みを長期的に継続するためには、学校現場で推進していくことが欠かせない。

 SDGsには貧困、飢餓をなくすため持続可能な農業を促進することや環境保全、女性の活躍、不平等の是正といった17の目標がある。10年後の2030年の達成を世界各国が目指す。唐津市は、総合計画の基本施策や総合戦略の基本目標とSDGsのどの目標が関連しているかを表示している。本年度の予算編成でも反映させた。佐賀県や佐賀市なども同様の取り組みを始めている。

 唐津市では、2018年4月に米ニューヨークの国連本部で開かれた会議に峰達郎市長が出席して虹の松原の保全活動へのSNS(会員制交流サイト)活用を報告し、機運が高まった。19年度は専門家を招いて職員や小中学校の校長向けに研修会を開き、SDGsと業務や暮らしとの関係性を学んでいる。カードゲーム方式の研修に参加した若手職員は「課題はすべて連鎖していて、同時に全部に対応しなければ解決につながらないことを学んだ」「研修を受けたか受けてないかの差は、その後の政策運営に結び付くと感じた」「異業種、官民が協力していくことが必要不可欠」と事後アンケートに答えている。

 取り組みは緒に就いたばかりと言えよう。定着させていくにはSDGsを意識する組織・風土づくりが求められる。具体像を描きにくく、仕事が増えるのではという負担感を気にかける職員の障壁を崩すことが必要である。何か新たに始めなければいけないわけではない。まずは既存の事業や取り組みが目標とどう結び付き、よりよい社会づくりにどのように貢献しているかを知ることが大切だ。

 本年度から全面実施された小学校の新学習指導要領には、持続可能な社会の創り手を育成することがうたわれ、6年生の社会の教科書にはSDGsが登場する。唐津市内にも教育目標に明記し、独自に教職員の研修をした学校も出てきている。唐津の自然や歴史、文化に触れて郷土の良さを学ぶことが持続可能な社会づくりへつながると、未来を担う子どもたちに教え、伝えることが重要となる。

 SDGsの息吹を、どう伸長させていくか。モデル校を設けるなど、学校現場で積極的に取り組んでいく活動が持続性を高める鍵となる。(辻村圭介)

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