東京電力福島第1原発事故の影響で、佐賀など九州4県に自主避難した18世帯53人が、国と東電を相手に慰謝料など計約2億9700万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、福岡地裁は24日、東電に対して賠償の一部の支払いを命じた。国への請求は棄却した。原告は判決を不服とし、控訴する方針。

 徳地淳裁判長は、福島県の自主的避難等対象区域内に住んでいた原告7世帯24人について、日常生活を失ったことへの慰謝料などの請求を認め、約490万円の支払いを命じた。区域外の原告は、いずれも避難がやむを得ない状況ではなかったとして請求を退けた。

 また、地震予測「長期評価」などを踏まえれば、国は2002年末の時点で、福島第1原発の敷地の高さを超える津波を予見できたと指摘。しかし、実際の津波はより大規模だったとし「対策を取っていても原発事故を回避できた可能性は低い。国が東電に対策を義務付ける規制権限を行使しなかったことは不合理ではない」と述べた。

 避難者による全国約30件の集団訴訟で16件目となる一審判決で、九州では初めて。これまでの15件と同様に東電の責任を認定した。国も被告となった12件のうち、国の責任が認められなかったのは5件目になる。

 復興庁によると、福島県から佐賀県への避難者は、今年4月末時点で53人。原告18世帯のうち3世帯が佐賀県に避難している。

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