学生時代、いろんなアルバイトをやった。金欠の時に助かったのは、働いたその日に現金でバイト代を払ってくれる会社◆ある日、先輩から「ロードパフォーマンスのバイトをやってみないか」と誘われた。日給1万円でその日払いという。大道芸でも手伝うのだろうか。「踊れませんよ」と聞くと、「体力さえあれば大丈夫」。何かおかしいと思いながら引き受けたそのバイトは道路工事だった◆道路工事は仕上げの舗装がきつい。道路からこぼれ落ちたアスファルトをスコップですくい、ローラーが走る道路中央に戻したり、道端にたたいて固めたりする作業。暑さと長時間の中腰でへとへとになった。でも、完成した道路はきれいで満足感がわいた。その晩、社長に焼き肉をおごってもらい、30年以上を経た今では楽しい思い出だ◆保護者の負担を減らそうと、アルバイトに励む学生は多いはず。コロナ禍で減った仕事は戻ってきただろうか。就職活動はもっと大変だろう◆今月から来春卒業予定の大学生らを対象にした企業の採用選考が本格化している。その年の景気に左右される就職戦線は世の中の不条理の一つだが、結婚に似て縁のようなもの。いくつ内定を得ても、選べるのは一つだけ。だから出会いを大切にしてほしい。縁があった会社で頑張れば、それが天職になることもある。(義)

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