多彩な技を持つ鳥栖工レスリング部の小柴伊織=鳥栖市の同校レスリング場

 「夢はオリンピックで金メダル」。この言葉を現実味を持って語れる高校生アスリートはそう多くはいない。レスリング男子・鳥栖工の小柴伊織(17)は、世代別で全国トップクラスの実力と実績を持つ有望株。趣味はレスリングと言えるほど、技の探求に全てをささげている。

 インターハイなど、全国大会でも表彰台に立つ選手が集う同校レスリング部。日々の練習は試合形式のスパーリングが中心で、練習の約2時間半はただひらすら組み合い続ける。筋力トレーニングではなく、実戦で磨かれた筋肉は無駄がない。戦うための体になる。

 指導者である父小柴健二監督の次男として、保育園の頃から競技を始めた。3きょうだいの兄亮太(大学3年)と妹ゆり(中学1年)も競技に打ち込み、家には県外出身の部員も寄宿する、まさにレスリング一家だ。

 伊織は小学生から頭角を現し、昨春の全日本ジュニア選手権大会で、グレコローマンスタイル71キロ級で優勝。2年生ながら昨夏のインターハイでは3位、国体では2位と実績を積み上げてきた。

 武器は組んでも離れても戦える技術力。「力は強くないけど、技を増やせば相手は守り切れない」。動画サイトなどで五輪選手の技を盗み、練習を重ねて自分のものにする。新型コロナウイルスで休校中も地道に技を研究。1年生から取り組んできた、相手の裏を取る高度なタックル「ハイクラッチ」を完成させた。

 SSP杯はこの必殺技を試す絶好の舞台になるが、故障のため出場できるかは不透明な状況だ。「大会の緊張感の中で思い切り試合したい」。練習する仲間をうらやましそうに見つめた。

 

 ■レスリング 21日に鹿島高大手門学舎柔剣道場で開催。学校対抗戦(男子のみ)と階級別の個人対抗戦(男女)を行う。

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