油流出被害から復旧した農地で田植えをする福田文人さん。奥は昨年8月の大雨で一時孤立した順天堂病院=杵島郡大町町福母

 昨年8月末の佐賀豪雨で、佐賀鉄工所大町工場(杵島郡大町町)から流出した油の被害を受けた農地で、水稲の作付けが始まっている。農地の復旧は終わり、10カ月ぶりに営農が再開され、被災地では復興に向けた歩みが進んでいる。

 19日に福母下潟地区であった田植えでは、農家の福田文人さん(68)さんが、新調した田植え機を使い約0・2ヘクタールの水田にヒノヒカリの苗を植え付けた。昨年、福田さんの農地約4・8ヘクタールでは油が流れ込んだため米などの収穫ができず、大型の農機具も被害を受けた。農作業を手伝う長男の昇悟さん(40)は「当初はもう営農できないかと不安だった。再開できて安心している」と話した。

 町農林建設課によると、油流出の被害を受けた農地約43ヘクタールにはこれまで、石灰を散布したり、土壌検査をしたりする対応を取った。このうち油の濃度が高かった0・3ヘクタールでは土を入れ替えた。昨年とほぼ同規模の農地で営農が再開され、10月ごろから収穫が始まる。

 一方、油流出の被害を受けた農家18戸のうち2戸が、今年は営農をやめたという。

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