文化審議会の答申により、史跡の指定面積が拡張されることになった田代太田古墳=鳥栖市田代本町

上空から見た、指定地域一帯

 国の文化審議会は19日、埋葬施設に顔料で文様や絵画が描かれた稀少な装飾古墳として知られる鳥栖市田代本町の国史跡・田代太田古墳の指定範囲を、約2080平方メートルに広げるよう萩生田光一文部科学相に答申した。他に6件の史跡の範囲拡張も求めた。年内にも答申通りに告示される見通し。

 新型コロナウイルスの影響で十分な調査ができず、新規指定は見送った。史跡・名勝・天然記念物の総数は3300件(うち特別史跡63件)。

 田代太田古墳の現在の指定範囲は約1780平方メートル。新たに指定された部分には墳丘の一部が含まれることが明らかになっていた。市は今後、追加部分の公有化を考えており、市の担当者は「将来的には遺跡の復元などを含めた整備が可能になる」と期待する。

 追加指定部分には民家があり、昨年から空き家になっていた。市は所有者の同意を得たうえで今年1月、史跡面積の追加を国(文化庁)に具申していた。今回の指定により、新たに住宅や店舗が建てられるなどの開発から遺跡を守ることができる。

 田代太田古墳は1926(大正15)年、国史跡に指定。6世紀後半(古墳時代後期)に築造された直径約42メートルの大型円墳で、首長クラスの墓とみられる。2段に築かれた墳丘は高さが約6メートルあり、全長9メートルの横穴式石室が確認されている。埋葬施設内には赤、黒、緑の3色の顔料に岩肌の黄を加えた4色による連続三角文や人物像などが確認されている。

 他の6件の史跡は、白鳳時代の山陰地方を代表する寺院で特別史跡の「斎尾廃寺跡(さいのおはいじあと)」(鳥取県琴浦町)のほか、仙台郡山官衙かんが遺跡群(仙台市)のうち郡山官衙遺跡、金田(こんだ)官衙遺跡(茨城県つくば市)、真福寺貝塚(さいたま市)、下之郷遺跡(滋賀県守山市)、和歌山城(和歌山市)。

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