河井案里参院議員(46)=広島選挙区=が初当選した昨年7月の参院選を巡り、票の取りまとめなどを依頼する目的で、地元の広島県議らに現金を配ったとして、検察当局は17日、公選法違反(買収)の疑いで、夫で前法相の河井克行衆院議員(57)=広島3区=と案里氏を18日に逮捕する方針を固めた。

 案里氏陣営の公選法違反事件は、現職国会議員夫妻が刑事責任を追及される異例の事態に発展する見通しとなり、安倍政権への打撃は必至だ。

 夫妻は自民党に離党届を提出し、党は17日、受理した。夫妻はこれまでの任意聴取で買収行為を否定。党側に議員辞職しない意向を伝えている。

 関係者によると、克行氏の関係先から押収されたリストなどから、地元議員ら約100人に対し、克行氏が計約2400万円、案里氏が計約150万円を渡した疑いが持たれている。約100人の大半は、検察当局の事情聴取に現金の受け取りを認めていることも分かった。

 通常国会は17日閉会。克行氏は衆院本会議終了後、国会内で報道陣に「皆さまにご迷惑を掛け、深くおわび申し上げます」と述べた上で「良心に照らして、やましい政治行動、法にもとるような政治活動を行ってきたことはない」と強調した。

 案里氏は参院本会議後、「弁護士から(コメントするのを)止められています。申し訳ありません」とだけ述べた。

 これまでの取材で広島県議や広島市議、県内の首長、陣営関係者、後援会関係者らに1人当たり現金5万~数十万円を渡していたことが判明。案里氏の選挙戦は克行氏が主導していた。

 検察当局は、案里氏を当選させるため、広範囲に買収行為をした疑いがあるとみて、今年3月ごろから東京地検特捜部の検事を広島地検に投入するなど、捜査態勢を強化していた。

 案里氏の公設秘書は16日、参院選で車上運動員に法定上限を超える違法な報酬を支払ったとして執行猶予付きの有罪判決を言い渡された。連座制の適用対象で、案里氏が失職する可能性が高まっている。

 判決に関し、案里氏は17日に「重く受け止めている。現時点では判決確定前であり、今後の推移を見守りたい」とのコメントを発表した。【共同】

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