緊急事態宣言の解除から1カ月がたち、古湯・熊の川温泉の各施設にも少しずつ客足が戻っている=佐賀市富士町古湯の英龍温泉

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、佐賀県内に発令されていた政府の緊急事態宣言が解除されてから14日で1カ月を迎えた。外出自粛のあおりを受け、特にダメージが大きかった宿泊業では、経済対策として宿泊補助を実施している市町で少しずつ客足が回復しつつあるのに対し、目立った支援策がないエリアでは苦しい状況が続いており、明暗が分かれている。

 「対応が遅い」―。5月16日に営業を再開した唐津市の老舗旅館「洋々閣」の大河内正康社長は、宿泊半額補助など市町独自の支援策がある地域とない地域で地域間格差が生じている現状を憂いている。

 同旅館では5、6月の売り上げが前年と比べ9割程度落ち込み、7、8月の予約も1週間に3組程度と厳しさが続く。観光・飲食業を支援する政府の「Go To キャンペーン」も巨額の事務委託費を批判され、スタートが遅れる可能性が出ている。大河内社長はお得なキャンペーンが始まるまで「旅行控え」が起きているのではないかとみる。「困っている人たちの現場をもっと見てほしい」と注文する。

 一方、市民を対象に2万円を上限に宿泊費用を補助する事業を打ち出した佐賀市。古湯・熊の川温泉観光コンベンション連盟の山口澄雄理事長は「お客さまの数はまだコロナ前の4割ほどだが、市のキャンペーンがなかったら、今もがらんとしていたと思う」と支援策に感謝する。

 1日に始まったキャンペーンは7日には予定数に達し、「うれしい誤算だ。古湯・熊の川でも6~8月にかけて予約が集中している」と山口理事長。ただ、従来の主力だった旅行予約サイトを介しての客はほとんど動きがなく、「行政の支援はいずれ終わる。今後はどう情報発信していくかが鍵になる」と先を見据える。

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