段ボールを使った手作りの「ついたて」を机に取り付けて学ぶ武雄北中の生徒(武雄北中提供)

段ボールとビニール袋で組み立てた仕切りを授業で使う田野小の児童たち=唐津市肥前町

 新型コロナウイルスの影響で休校した佐賀県内の県立学校や小中学校が、授業を再開して14日で1カ月になる。3密回避で机の間隔が空いた教室にマスクやフェイスシールドをつけた子どもの姿があるなど、学びの風景は様変わりしている。授業内容や教え方も一部で変わり、先生はさらに手洗いや消毒に留意する。1学期の通知表を見送る学校もある。コロナを意識し共生する“新しい学校様式”になっている。

 「できるだけ机を離すことを心掛けたが、30人以上が一つの教室にいる状況は変えようがなかった」。三養基郡の小学校校長は「3密対策」の実情を話した。

 文部科学省は教室で1メートルを目安に間隔を空けるよう求めている。ただ、多人数になると、学級を2分した授業が必要になるなど、空き教室や教職員が少ないと対応は難しくなっている。

歌や球技先送り

 授業内容も変わっている。飛沫ひまつ対策で対面を避けるため、音楽の歌唱、体育の球技やプール、家庭科の調理などを先送りしたケースも多い。「リコーダーは吹き口を外して指使いを教えている」(小城市の小学校)という学校もある。

 武雄市の武雄北中は、フェイスシールドと机の3面を囲む「ついたて」を教職員で自作した。材料はラミネートフィルムや段ボールなどで費用はいずれも200円程度。フェイスシールドは暑さ対策でマスクを外す際の活用も考える。唐津市肥前町の田野小は、授業のグループ活動で向かい合えるよう、段ボールと透明なビニール袋で組み立てる間仕切りを使っている。

 4、5月の休校分を取り戻すため“詰め込み教育”にならないか、懸念もある。杵島郡内の小学校校長は「心身の健康が最優先。慌てて詰め込まず、1年かけて追いつくことを考えるべき」と指摘する。

 西松浦郡有田町の小中学校は1学期が短いため、通知表を学期ごとの3回ではなく年2回にすることを決めた。「特に中学の技術・家庭は成績を出せるほどの授業数がない」と理由を挙げる。

「第2波」への警戒も

 授業以外でも悩みは多い。ほとんどの学校が体育大会など春の行事を秋以降に先送りした。修学旅行は難題が多く、「全国的に秋に集中し、行き先確保や“密”が心配」「キャンセル料が気になる。保護者負担があり得るか」と悩ましい。藤津郡太良町は「中止となった場合に保護者負担がないように」と、6月補正予算でキャンセル料を考慮した費用を予算化した。

 新型コロナの「第2波」への警戒、懸念もぬぐえない。再度の休校に備え、パソコン購入などオンライン授業の環境整備を始めた自治体もある。

 ほかにも、学習環境の変化に対する子どもたちのストレスへの対応、教職員で行っている放課後の消毒作業の負担軽減、換気との両立が難しい暑さ対策など、課題が並ぶ。学校現場は当面の間、悩みが尽きそうにない。

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