中学生や高校生の娘さんが、月経のときに腹痛、腰痛、頭痛などの痛みが強くて、学校に行っても保健室で休まなくてはいけない、毎月、鎮痛剤を何錠も飲まなくてはならないと相談に来られます。「月経痛でいつも痛み止めを飲んでいたら癖になるからがまん我慢しなさい」と言われるお母さんもいらっしゃいます。でも、歯が痛いのに我慢しなさいという母親はいませんよね? 痛いのは本当に痛いのです。

 以前は、産婦人科医においても、10代の月経痛は子宮が未熟だからとか、妊娠出産したら軽くなるからとして自然経過を診ることが多かったのですが、最近では初経からそれほど年数が経っていなくても、子宮内膜症による月経困難症が考えられると言われています。実際に腹腔(ふくくう)鏡でお腹の中をみてみると、子宮内膜症の病変が確認されるのです。

 子宮内膜症とは本来、子宮の内腔のみにある組織が、子宮の筋層内や卵巣、骨盤腹膜などに迷入して、月経時にそこで出血を起こす病気です。特殊なものでは、子宮内膜症がぼうこうや肺にあると月経時に血尿や血痰(たん)が出ることもあります。病因は未だに不明ですが、一説には月経時に子宮が収縮することにより、卵管を通して月経血が骨盤内に逆流し内膜症を発症すると言われています。ですので、月経痛がひどい方ほど子宮内膜症を発症しやすいというデータがあります。

 月経のたびに内膜症は進行しますから、月経を止めることが一番の治療です。妊娠、出産、授乳で無月経の期間があれば治療になりますが、20代、30代と月経が休みなくあっていると病状は進みます。低用量のピルを内服してエストロゲンの上昇を抑えれば、月経痛も軽くなり内膜症の重症化を防ぐことができます。たかが月経痛と思わずに、産婦人科へご相談ください。(伊万里市 内山産婦人科副院長、県産婦人科医会理事 内山倫子)

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