国体に向け、ライフル射撃の練習に励む井浦一希(右)=佐賀市のSAGAサンライズパーク総合体育館射撃場

 10月の鹿児島国体について、鹿児島県知事が11日、年内開催を断念する考えを示した。国体出場を目指す佐賀県内の選手は冷静に受け止める一方、2023年に地元開催予定の国民スポーツ大会に向けて強化を進めてきた指導者は、延期がもたらす影響を懸念し、頭を悩ませている。

 「フィジカルの強化ができると考えればプラス」。昨年の茨城国体でライフル射撃成年女子4位の井浦一希(20)は、気持ちを切り替える。国体九州ブロックが中止になった時点で覚悟はしていたといい、「開催された時に100%の力が発揮できるよう頑張りたい」と前向きに話した。

 一方で、少年競技の指導者には困惑が広がる。各競技団体は、3年後の国スポで主力となる今の中学3年生世代を対象に、小学生の頃から選手の発掘、強化を進めてきた。

 バレーボール少年男子を率いる蒲原和孝監督は「1年でもずれれば、何年もかけてきた育成強化が白紙に戻るレベルだ」と危惧する。佐賀の国スポが仮に延期されると、強化してきた世代は「少年」ではなく「成年」になり、バレーボールの場合はVリーグ勢などが相手になる。「夢を託して小学生から教えてきた指導者や選手の気持ちを考えると、割り切れない思いだ」

 佐賀県のお家芸の一つ剣道も、全国規模の大会で中学生県選抜が男女そろって頂点に立つなど力を付けている。ジュニアの強化を担う県スポーツアドバイザーの江島良介さん(64)は「私たちは決定に従うだけで、推移を見守るしかないが、頑張ってきた子どもたちは不安に思うだろう」と話す。

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