厚生労働省は11日、来春卒業予定の高校生の就職活動について、企業による採用選考の開始を当初の9月16日から1カ月遅らせ、10月16日からとすると発表した。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う休校を受け、高校生の就活準備に支障が出ていることを考慮した。

 高校生の就活を巡っては採用の早期化を防ぎ、教育の充実を図るため、あらかじめ選考日程を統一。今年は企業から学校への求人申し込みを7月1日、選考開始を9月16日としていた。

 就職を希望する高校生は例年、年度初めの4月から8月にかけて進路指導や三者面談、事業所訪問などの準備を進めているが、今年は休校や分散登校のため準備期間が短くなってしまうため、高校側から開始を遅らせるよう求める声が出ていた。

 厚労省と文部科学省は準備期間の確保に向け、経済団体や全国高等学校長協会と対応を協議していた。

 「1カ月遅らせてくれるのは非常に有り難い。その時間を有効に使いたい」-。現場の意向もくみ取った形で選考開始が10月16日となり、佐賀県内の学校関係者からは安堵(あんど)の声が上がった。

 新型コロナウイルスの影響で、高校卒業予定者の就職活動も流れが変わっている。例年、実業系高校の教員は大型連休明けに企業を回るが、訪問自体が難しく、保護者向けの報告会などもできていない。

 県高校教育研究会進路指導部会の外戸口良文部会長(伊万里農林高校長)は「企業との接点が持てない状況が続き、学校も保護者も不安が募っていた」と話し、「期間を履歴書に反映する検定試験の受験にもあてられる」と歓迎する。

 佐賀工業高の副島政史校長は「寮や工場の見学、職場の人の話を聞くといったプロセスをはしょってしまうと、不本意な就職やミスマッチによる離職につながりかねない」と過程の大切さに目を向ける。「時間をいただいたので、子どもたちのためにしっかりとした就職支援をしていきたい」と強調した。

このエントリーをはてなブックマークに追加