「大切にしているのは聞くこと話すこと。そして自分からやっていくこと」という藤瀬吉徳さん

 エゴノキやヤマボウシの真っ白い花が、湿ってぼやけた梅雨入り前の風景にくっきりと浮かび上がっている。

 地域を心底に思う公的リーダーを合併で手放してしまった三瀬村にとって、一つの未来を描き、地道に導き続けている人を紹介したい。農家民宿具座を経営する藤瀬吉徳さん。事務所の壁に貼ってある集落営農の独自のやり方を喜々として説明してくれた。人が減っていく中で自治会と農業を続けていける仕組みを作っていくためだという。上の世代が積み重ねてくれた土台に、地域の組織が無理なく回っていくように、住民の暮らしの稼ぎになるようにしていきたいと。

 移住で増え始めた若者に自分から接し、一緒に事を起こし、それを集落につなげている。三瀬以外で暮らしたことのない藤瀬さんがそうできるのは、故郷への思いの強さからだろうか。思い起こせば20年前、僕ら夫婦は藤瀬学校に誘われた一期生かもしれない。今も変わらず未来を見つめている心から尊敬できる先輩だ。

(養鶏農家・カフェ店主 小野寺睦)

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