昨年の佐賀県有明海漁協の総代会では、山口知事(左)が徳永重昭組合長(奥中央)らに、オスプレイの佐賀空港配備に向けた公害防止協定の見直しを要請した=2019年6月28日

 佐賀空港への自衛隊輸送機オスプレイの配備計画を巡り、対応を強いられている佐賀県有明海漁協の総代会が26日に開かれる。2期6年にわたって対処してきた徳永重昭組合長(72)が退任し、新たな執行部が選ばれる予定で、顔ぶれが注目されている。

 今回の総代会(総代数180人)は3年に1度の役員改選で、70歳定年制に伴い、徳永組合長や杉町省次郎副組合長(71)は引退する。

 漁協の執行部はまず、15ある支所ごとの会議で組合員の中から複数の運営委員を決め、この互選で支所の代表者を選ぶ。さらに、この15人をベースに役員候補を選び、総代会で承認を得たら、その場で互選をする。組合長と副組合長は理事9人の中から選ばれる。既に各支所の代表者15人が決定し、役員の候補者が10日に公告される見通しだ。

 現職の徳永組合長は2014年6月、広江支所運営委員長から選ばれた。その1カ月後、オスプレイ配備計画を防衛省が県に要請。山口祥義知事が計画を受諾した18年8月以降、自衛隊との空港共用を否定している公害防止協定を見直すかどうかが議論になり、徳永組合長は、ノリの漁場を守りたいという組合員の意向をくみながら対応してきた。

 計画を巡っては、九州防衛局が5月29日に漁協南川副支所、今月3日には早津江支所を訪問し、全15支所での説明が終了した。

 山口知事は徳永組合長に、退任する前に「一定の整理をつけていただきたい」と今後の議論の方向性を示すように求めた。徳永組合長は「総代会前は時間がとれない」と、議論を次期執行部に委ねる意向を表明しており、次の組合長の対応が当面の焦点になる。

 新組合長の候補として関係者の間で名前が挙がるのは、九州防衛局の支所説明会を早い段階で開いた東与賀支所の西久保敏運営委員長(63)と、駐屯地候補地の地権者が多く在籍する南川副支所の田中浩人運営委員長(58)など。

 過去には、続投に意欲を見せた現職の組合長への高齢批判を背景に、総代会で役員の選任議案そのものが反対多数で否決されたケースもあり「誰が組合長になるかは総代会まで予断を許さない」という。

 18漁協が合併して発足した県有明海漁協は、各支所の意向を尊重してきた。複数の組合関係者は「合議を重んじるので、誰が組合長になっても対応に大きな違いはない」と話す。ただ、県との協議は今後、難しい局面に差し掛かるのは必至で「いかに全体に目を配り、組合員をまとめていくか。組合長の重責は増すばかり」と指摘する。

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