佐賀県内で初めての「通年議会」をスタートさせた東松浦郡玄海町議会=同町

 東松浦郡玄海町議会で8日、議会の会期が1年となる「通年議会」が開会した。佐賀県内の自治体では初の導入で、6月に開始したたため、今年の会期は12月25日までの201日間。町議会事務局は、災害時の対応や予算編成で行政との連携が取りやすくなると説明し「スピード感のある議会対応ができる」としている。

 玄海町議会は約2年前から「議員活動を活発にしよう」と、通年議会の導入を検討し、先行自治体の視察や議員の勉強会などを実施してきた。今年の3月議会で定例会条例を改正し、6月から施行した。

 従来の定例会のような審議などは3、6、9、12月にあり、議員による一般質問もこの月に実施する。新型コロナウイルスの対応や、自然災害などで緊急に補正予算を組む必要性がある場合、臨時議会ではなく、「7月会議」「11月会議」などとして再開する。閉会中の制限がないため、全員協議会や常任委員会などが活発になるとしている。議員活動がこれまでより増えるが、議員報酬に関する条例は改定していないため、報酬は変わらない。

 予算や条例を議会の議決なしに首長の権限で決定する「専決処分」に関しては条例を改正した。いつでも議会が再開できるため、100万円未満の損害賠償や突発的な補正予算編成、国の法改正に伴う条例改正などを除いては、専決処分ができなくなり、議会の議決を得る必要がある。

 全国町村議会議長会によると、2019年7月現在、55の町村が通年議会を導入している。玄海町が視察した長野県の軽井沢町議会は11年から取り入れ、同町の議会事務局によると、月に1回程度は常任委員会や全員協議会を開いている。導入前に比べ、議員同士や職員と顔を合わせる機会が増え、両者の連携が密になったという。新型コロナの影響が出始めた際は、6月を待たず、4月に1回、5月に2回の本会議を開き、迅速に対応した。

 「議員の拘束時間が長い」という理由で通年議会を廃止した自治体もある。

 8日の玄海町議会の開会冒頭、上田利治議長は「議会活動が制限される閉会期間をなくし、町長と議会が効率的かつスピード感を持った行政の推進を図る」と述べた。本会議終了後、通年議会の意義について上田議長は「行政も議会も緊張感を持つ必要がある」と話し、脇山伸太郎町長は「災害時などに議会との連携が取りやすくなる」との見解を示した。

 

 ■通年議会 

定例議会の回数を年1回とし、会期を約1年とする運用の方法。地方自治法では、地方自治体の議会は「定例会」と「臨時会」に分けられ、首長が招集するが、102条の2第1項や同条第2項によって通年議会も認められている。年1回、首長が招集して定例会が開会すると、それ以降は議長の判断で会議の再開ができる。

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