タブレット端末を使い、店内で動画を撮影している苣木孝文さん=唐津市中町の音楽酒場「明日があるさ」

 介護施設のお年寄りに音楽を楽しんでもらおうと、唐津市中町の音楽酒場「明日があるさ」のマスター、苣木(ちさき)孝文さん(62)が、動画配信サイト「YouTube」で弾き語り動画を投稿している。市内の介護施設を回り、弾き語りボランティアを続けてきたが、新型コロナウイルスの影響で訪問活動ができず、ネットで配信。施設からの評価も上々だ。

 「明日があるさ」はお酒を楽しみながら、カラオケやギター、ドラムなどの楽器演奏が楽しめるお店。営業の傍ら、苣木さんは4年ほど前から介護施設で、懐かしの歌謡曲やフォークソングの弾き語りを行ってきた。

 だがそうした介護施設は新型コロナで面会が制限され、その活動も休止を余儀なくされた。外出自粛が求められる中、多くの芸能人やスポーツ選手などが自宅で楽しんでもらうため、ネット上に動画を配信していることに触発された。「若者向けの動画は多いが、高齢者に向けた動画はほとんど見掛けない」。苣木さんは4月中旬から動画投稿を始めた。

 苣木さんはこれまでも3~5分程度の弾き語り動画を投稿してきた。今回の動画は施設訪問時と同じように、7、8曲を30分ほどにまとめた。「ブルー・ライト・ヨコハマ」「川の流れのように」など懐かしの歌謡曲や童謡が中心で、最後は「明るく前向きになれるように」と必ず「三百六十五歩のマーチ」を歌う。撮影は店内でタブレット端末を用いて行い、すでに14本配信している。

 訪問演奏したこともある同市北波多にある介護付有料老人ホーム「サンハウス唐津」では、動画を楽しんでおり、利用者から「目の前で演奏しているみたい」などと喜ばれている。石松大昌(もとよし)施設長(53)は「外との接触が完全にシャットアウトされているので、動画は非常にありがたい」と感謝する。

 メールや手紙が届き、「めちゃくちゃうれしい」と苣木さん。これまで訪問が難しかった市外の施設からも反響があったという。

 コロナ収束後は要請があれば、市内中心に訪問を再開するが、動画投稿も続ける予定。外に出られない利用者のため、今後は屋外でも撮影し、外の雰囲気を味わってもらうつもりだ。「明日があるさネットでボランティア」で検索すると、動画が見られる。

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