J1クラブで最初に全体練習を再開したサガン鳥栖。金明輝監督(中央)やコーチ、スタッフらはマスクを着用して練習に参加した=5月15日、鳥栖市の北部グラウンド

 新型コロナウイルスの影響で中断したJリーグは、7月4日のJ1再開、6月27日のJ2再開とJ3開幕が決まった。各クラブは全体練習を開始して準備を加速させるが、不安視されるのが急ピッチでの調整による負傷だ。待ち受ける過密日程への対応、感染拡大防止、試合会場の確保など取り組むべき課題も多い。

 「焦っていろいろやってしまうと、けがにつながる。なかなか大変」。J1のFC東京の長谷川監督は調整の難しさを率直に吐露する。選手は約2カ月の活動休止期間中も自主練習で体力維持に努めたが、球を蹴る感覚や試合勘を本調子に戻すのは容易ではない。夏場を乗り切るための体づくりや、戦術確認など必要な練習は多岐にわたる。

 再開後は猛暑の中、週2試合の厳しい日程が想定される。先にリーグ戦がスタートしたドイツでけが人が続出した事例もあり、例年以上に細心の体調管理が求められる。日本サッカー協会の反町技術委員長は「今季はフィジカルコーチの腕が問われる」と指摘する。

 元日本代表でJ1名古屋の金崎が2日に新型コロナの陽性であることが判明し、感染拡大への懸念もある。各クラブは練習中の飲料ボトルを選手ごとに分け、行動記録を管理するなど防止策を徹底。クラブハウスの利用を制限するJ1湘南のベテラン石原直は「不安はいろいろあるが、決められた中でしっかり準備したい」と覚悟を決める。

 ピッチ外の準備も急務だ。15日をめどに発表される再開後の日程は、移動による感染リスク低減のため近隣同士の対戦を優先し、当面は東西2グループに分けて試合を組む。Jリーグの原副理事長によると、試合会場は同時期に他団体も使用するため、競技場を所有する自治体と各クラブとの調整が必要になる。

 Jリーグ主導で選手やクラブ関係者に実施するPCR検査の態勢や、試合開催時のガイドラインの整備も進む。前例のないシーズンの再開へ、J1川崎の小林は「言い訳できる要素がいっぱいある。言い訳せずにどれだけ自分たちに矢印を向けて優勝を目指してやれるか」と決意を込めた。【共同】

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