佐賀球場で使われていたスコアボードのカウント部分を構えた店内と店主の鍛治祐さん。表示するライトをつけることもできる=唐津市弓鷹町の「下町ZERO」

昔のメジャーリーグの控室をイメージしたという、レンガと金網で装飾した壁

 15年前に解体された佐賀球場のスコアボードの一部が、元甲子園球児で硬式少年野球チーム監督の鍛治祐さん(51)が唐津市で開店するダイニングバー「下町ZERO(ゼロ)」で“再登板”することになった。ストライクやボール、アウトのカウント表示板で2メートル四方と大きく、店内でひときわ目立つ。鍛治さんは「佐賀球場の思い出を残すことができた」と話す。8日に開店し、新型コロナウイルスの感染防止に努めて客を出迎える。

 スコアボードは2005年の解体前に佐賀市が球場備品としてオークションにかけ、唐津市浜玉町の畳店主・岡部秀人さん(76)が落札した。岡部さんは浜玉町内で展示をしたり、運搬できるよう改造もして展示の募集をしたりしたが出番がなく倉庫に眠っていた。知人を通じて譲渡を決めた。

 鍛治さんは唐津市役所前の中野のれん街で約20年前からバー「ZERO」を経営。老朽化で食事も提供できる店に変えたいと考え、道路向かい側の空き店舗に新しく店を構えた。野球の雰囲気づくりにとスコアボードを設置した。カウンターとテーブル7席があり、壁は「昔のメジャーリーグの控室をイメージ」してレンガ張りに金網フェンスの装飾に仕上げている。

 鍛治さんは1986年夏、唐津西高野球部の5番三塁手で甲子園に出場した。草野球を続ける一方、12年前からは少年野球を指導、現在は唐津ボーイズの監督を務める。新型コロナの影響で予定より1カ月以上遅れての開店となる。不安もあるが、「教え子の中には成人した子もいて、思い出話を語るのにふさわしい場をつくれた。一つの夢がかなった」と喜ぶ。

 岡部さんも「46年間、球児たちの涙を見てきたボード。佐賀の宝として末永く残ってほしい」と託し、野球好きの「聖地」になることを期待している。

 「下町ZERO」は唐津市弓鷹町、営業時間は午後5時半~午前0時。不定休。

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