九州新幹線長崎ルートの未着工区間(新鳥栖-武雄温泉)に関し、佐賀県は5日、国土交通省から求められていた整備方式の協議に入ることを決めた。協議の在り方を話し合う事務レベルの確認作業の中で、両者の主張の違いが明確になったため、県は折り合わない確認を続けるより、協議入りして本質的な議論を開始すべきと考えた。

 国交省幹線鉄道課の足立基成課長が、県庁で南里隆地域交流部長と2時間半にわたり面談した。県が作成した確認文書案の「新大阪直通にはこだわらない」との表記について、足立課長が「協議の中で議論すべきことだ」と削除を主張したのに対し、南里部長は「一番重要なところ。直通にこだわればフル規格かミニ新幹線しかない。協議入りしたことにしていいので議論したい」と述べた。

 南里部長はフリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)を導入し、新鳥栖-武雄温泉間は在来線を残すことが整備の前提だと強調し「FGTを断念するなら、その前に合意していたスーパー特急に戻るのが筋だ」と訴えた。足立課長は「FGT断念の責任は痛感しているが、立ち止まってはいけない。最新のデータをそろえ、話をしていきたい」と応じた。

 足立課長は「腰を据えて協議を進めるためのアイデアがある」と明かした。具体的な内容については言及せず、鉄道局の水嶋智局長から山口知事に直接伝える意向を示した。

 面談後、足立課長は協議入りを歓迎しつつ「県の姿勢は消極的だが、やる以上は結論を得るべく、責任を持って進めたい」と述べた。南里部長は「本質的に確認したいことはできなかった。確認事項が協議の中身に当たるとされたので、ならば協議入りしようということ」とした。

 確認文書をまとめず、協議入りしたことについて、県関係者は「文書作成が目的ではない。両論併記の案のままでも、県の主張や協議の性質が見えればいい」と意図を説明した。

 山口祥義知事と赤羽一嘉国交相は昨年12月、整備方式の「幅広い協議」に入る前提として、事務レベルで協議の在り方の確認作業を進め、文書に残すことで一致。県が3月に作成した確認文書案に国交省は修正案を返したが、新型コロナウイルスの影響などで宙に浮いていた。

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