足立課長(左)と南里部長との面談は約2時間半にわたって実施された=県庁

九州新幹線長崎ルートの未着工区間の整備方式に関し協議した県地域交流部の南里隆部長=5日午後、佐賀県庁

九州新幹線長崎ルートの未着工区間の整備方式に関し協議した国交省幹線鉄道課の足立基成課長=5日午後、佐賀県庁

 議論するための土俵づくりから一気に本題に入った。九州新幹線長崎ルートの未着工区間(新鳥栖-武雄温泉)の整備方式の見直しで、国土交通省が求めてきた「幅広い協議」に応じた佐賀県。さまざまな整備方式を「フラットに並べて」議論するという国交省の説明に対し、県はフル規格に誘導されるかもしれないという警戒感をにじませ、平行線をたどるスタートとなった。

 「苦しい中でぎりぎりの判断をしながら協力してきた」。面談で県の南里隆地域交流部長は30年以上にわたる経緯を説明し、「フル規格は求めていない」などと、県の立場を繰り返し訴えた。県庁の会議室で、記者団に全てが公開された一対一の話し合い。国交省の足立基成幹線鉄道課長は、理解する姿勢を示しながらも「幹線鉄道の行政を預かる者として(整備方式の)結論をしっかり見いださないければならない」と協議の必要性を強調した。

 南里部長は与党がフリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)の導入を断念したことを「速度が遅い、コストが高いなど最初から分かっていたことが理由になるのは理解できず、はしごを外された状態」と批判した。足立課長は「責任を痛感するからこそ一層、真摯(しんし)に対応している。地域やネットワークの未来を(一緒に)考えていけないだろうか」と求めた。

 事務レベルの確認から次第に、整備方式に絡むやり取りになり、南里部長は「しっかり議論しなければらない。協議に入ったということにしてもらっていいので、引き続き議論していいか」と提案した。足立課長は「大変前向きな言葉をもらった。しっかり受け止めたいと思う」と応じた。

 「北陸新幹線などの財源確保にかかる与党の議論やスケジュールの都合で協議を進めることはない」とする県の確認文書案に対して足立課長は、整備新幹線では複数の線区が着工と併せて財源も議論してきた経緯を引き合いに「新幹線整備は財源が一番大きな問題。財源をつくるエネルギーをぶつける時に(北陸新幹線と)一緒に考える可能性を完全に否定するのはやめたい」との見解を示した。

 その上で「今の状態を前に進めるようなアイデアを検討していて、鉄道局長から知事に直接、感触を聞きたいという意向を持っている。腰を据えてしっかり協議できる観点から、恐らく佐賀県に合うようなアイデアではないか」として「トップ会談」を打診した。

 南里部長は「提案があれば、協議の場で責任者の私に言っていただければいい」と難色を示した。

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