学校で育ったビワを、協力してちぎり取る児童たち=多久市の東原庠舎東部校

東原庠舎東部校の5年生に旬のビワを届けた田渕厚さん(右)=多久市の同校

黄色く色付いたちぎりたてのビワ

子どもたちに届けるため、食べごろになったビワをちぎる田渕厚さん=多久市東多久町納所

 多久市東多久町納所(のうそ)で農業を営む田渕厚さん(69)が4日、町内の義務教育学校・東原庠舎(とうげんしょうしゃ)東部校の5年生36人に特産のビワを贈った。新型コロナウイルスの影響で中止になった栽培体験の代わりに、畑で育てたビワを一人でちぎり、約50キロ分を届けた。

 田渕さんは、江戸時代から受け継いできたビワを山あいの畑約2アールで育てている。東部校の5年生を毎年招き、実が育つ5月に風雨を防ぐための袋がけ、6月初旬に収穫を体験してもらっているが、今年は感染予防のためいずれも実施を見送った。

 住民と協力して、廃校になった校舎でビワの加工品作りにも励む。「ビワはちぎりたてが一番うまい」と言い、学校に届ける直前に収穫した。東部校に植えられたビワも育ち、子どもたちと一緒にちぎった。

 ビワ栽培が盛んだった50年ほど前は、納所地区の販売額が2億円に上り、全国で7番目の産地だったという。近年は「皮をむくのが面倒」「生ごみが出る」といった理由で敬遠されて4分の1程度になり、生産農家も少なくなった。

 田渕さんは、こうした歴史も紹介して「肥料を与え過ぎると、自分の力で育たなくなって成熟しない。人間も同じかな」と語り掛けた。5年生の三ヶ島幸さちさんは「たくさんのことを学べた。みんなでおいしくいただきます」とお礼を述べた。

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