新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために社会的距離が求められています。大人に全てを依存する乳児の世話はどうしたらよいのでしょう。赤ちゃんへのマスク着用は窒息の危険があり、使用しないでください。現時点で母乳からはウイルスが検出されていないので、ユニセフは母乳育児を勧めています。赤ちゃんの成長には抱っこや触れ合いは大切です。どうぞ続けてください。

 親のハグで乳児がリラックスすることが、東邦大などの研究(2020年4月、科学雑誌iScience)で報告されました。「軽い縦抱き」「かわいいと思ってぎゅっとハグする」「そのまま走れるくらい強く抱きしめる」のうち、最もリラックスしたのは「かわいいと思ってぎゅっとハグする」だったそうです。ハグが安心感をもたらすことは以前から知られていましたが、赤ちゃんでも同様の効果が証明されました。

 赤ちゃんとのコミュニケーションを難しい、苦手、言葉を話せないので面白くない、どう関わればよいのかわからないと言う人もいます。赤ちゃんは無力で、泣いてばかりだと思うかもしれません。

 しかし、赤ちゃんは案外わかっています。視力は0.02から0.05あり、15から30cmの距離に近づけばパパやママの顔を認識することができます。ゆっくりした高めの声によく反応し、手足を動かします。ママの母乳の匂いをかぎ分けることもできます。

 私は病院勤務をしていたとき、赤ちゃんとのコミュニケーションが楽しみでした。目と目を合わせ私の頭をゆっくり左右にずらすと、その動きを目で追ってきます。ゆっくり口を開けてあっかんべーをすると、べーと舌を出します。ゆっくり行うのが成功するコツです。そして赤ちゃんに話しかけると、赤ちゃんの頭がコクンと動き、私の言葉に同意したように感じました。赤ちゃんの反応がうれしくて、母親や父親にもやってみるように促していました。皆さんも赤ちゃんとのコミュニケーションを楽しんでください。(佐賀大学教育研究院医学域医学系=母性看護・助産学領域=教授 佐藤珠美)

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