「人の温かみが再開へのエネルギーになった」と話す森本さん夫婦=武雄市北方町の「カラオケカフェ サウンドビレッジ」

 昨夏の佐賀豪雨で甚大な浸水被害に遭って休店していた武雄市北方町のカラオケ店が5日、営業を再開する。2月末に再開を考えたが、新型コロナウイルスの影響で阻まれていた。「支えてくれた人たちの気持ちがエネルギーだった」と9カ月を振り返り、新型コロナへの警戒感を保ちつつ、PRを控えて静かに店を始める。

 再開するのは「カラオケカフェ サウンドビレッジ」=森本敦(つとむ)さん(58)経営。国道34号沿いにある店は昨年8月28日未明、記録的大雨に見舞われた。地面より低い場所にあったライブスタジオが180センチ、カラオケルームも45センチ浸水して、店は「プールになっていた」(森本さん)。

 排水ポンプが借りられず、10日ほど水が入ったままだった。再建費用の見積額を聞いて閉店も考えたが、片付けを手伝ったり、差し入れをしてくれたりする常連さんたちが重ねる「待っとるよ」の言葉で吹っ切れた。

 改修には思った以上に時間がかかった。防音や断熱を施した7層構造の壁を1層ずつはがす作業を重ねた。長期の浸水が原因で発生するかびも工事を難しくした。

 今年2月末、ようやく開店できる状況になると、今度は新型コロナの感染が拡大していった。県外でクラスター(感染者集団)が発生したライブハウスやカラオケボックスは全国的に休業対象になり、「まさにダブルパンチでした」と妻の三佳さん(51)。

 休業要請が解除され、周辺の飲食店も開店したことで再開を決めた。ただ、新型コロナのことを考えてPRは控え、花輪の提供も断った。ソファの数を減らし、検温して必ず連絡先を聞くという、以前とは異なるスタイルの営業になる。「いろんな形で支えてもらった方に、少しずつお返しできれば」と森本さん夫妻。お客さんの笑顔を楽しみにしている。

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