ジョージ・フロイドさんが亡くなった現場で、人々に語り掛ける弟のテレンス・フロイドさん(中央)=1日、米ミネソタ州(ロイター=共同)

 デモ参加者と一緒に地面に片膝をついて共感を示す警官ら=2日、米ニューヨーク(ロイター=共同)

 ジョージ・フロイドさんが亡くなった現場を訪れた弟のテレンス・フロイドさん(右から2人目の野球帽の男性)=1日、米ミネソタ州(AP=共同)

 ジョージ・フロイドさんが白人警官に暴行され死亡した事件で、抗議の声を上げる人々=1日、米ロサンゼルス(共同)

 米中西部ミネソタ州で黒人男性ジョージ・フロイドさん(46)が白人警官に暴行され死亡した事件で、抗議デモに乗じた犯罪行為を阻止しようとする動きが広がっている。フロイドさんの弟は略奪などを非難し、平和的な活動を要請。「デモを台無しにしてはいけない」。人種差別反対を真正面から訴えるため、市民も体を張っている。

▽価 値

 「何をしているんだ。そんなことをしても兄は戻ってこない」。ジョージ・フロイドさんの弟、テレンス・フロイドさんは1日、兄が亡くなった現場を訪れて号泣。集まった人々を前に、略奪や破壊行為への怒りをあらわにした。

 「お願いだから平和的にやろう。自分たちの声に力がないと考えるのはやめよう」。11月の大統領選などで民意をぶつけるよう呼び掛け、インターネットでは賛同の声が相次いだ。

 5月30日、東部ニューヨーク市の量販店ではデモ参加者が体を張って略奪を阻止。「ここを離れろ」。両腕を広げて出入り口前に立ちはだかり、店内への侵入を防いだ。

 米メディアによると、西部カリフォルニア州ロングビーチでは31日、群衆がハンマーでガラスを割り店舗に侵入、止めに入った男性が殴られた。デモの価値を損ないかねない行為に、参加者の女性は「悪い見本で台無しにしてはいけない」と訴えた。

 当局側にも、平和的なデモを尊重する動きがある。「ここにいる警官はみなさんを愛している。さあ行こう」。中西部ミシガン州では30日、保安官がデモ隊の求めに応じて行進に合流、フロイドさんの事件などについて語り合った。

▽共感と威嚇

 ニューヨークや南部フロリダ州マイアミ近郊などでは、警官が地面に片膝をついてデモへの共感を示した。片膝をつくポーズは人種差別反対の意思表示としてスポーツ界などにも広がっている。

 ただ、過激化したデモ隊の一部と警官隊の衝突は続いている。警官隊は威嚇弾などで制圧を図っており、AP通信によると、抗議デモに伴う拘束者は少なくとも9300人に上った。

 南部バージニア州リッチモンド市では1日、夜間外出禁止令が発効する午後8時より前に、警官隊が催涙弾を使ってデモ隊の強制排除を図った。

 群衆が手を上げながら「撃つな」と叫んだ後に催涙弾が撃ち込まれる様子が動画に収められており、ストーニー市長は2日、デモ参加者らを前に「みなさんの権利を侵害した」と謝罪。各地で州兵も動員される中、火種はくすぶり続けている。(ロサンゼルス共同=大倉喬之)

このエントリーをはてなブックマークに追加