男女が対等な立場で責任を担う社会を実現するための「男女共同参画社会基本法」が1999年に施行されてから20年が経過した。この間、国や佐賀県などはその基盤づくりや推進に努めてきたが、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」といった性別役割分担意識はいまだ根強く、女性の社会進出は世界の国々と比べて遅れている。6月23日から29日までは男女共同参画週間。いま何が必要なのかを考える機会にしたい。

 「女性が働きやすいということは、男性にとっても働きやすいということ」-。県男女参画・女性の活躍推進課の担当者は、男女そろっての意識改革と行動がこれからの時代を切り開く力になると強調する。

 基本法の施行後、県は男女共同参画社会の実現に向けた基本計画を5年に一度つくっている。本年度は、幼少期からの意識形成など八つの重点目標を掲げた第4次計画の最終年度。年度末の第5次計画策定を見据え、昨年10月には県民意識調査を実施している。

 それによると、男女共同参画がなかなか進まない原因が垣間見える。例えば30代の男性。育児参加や家事負担の大切さは十分理解しており、生活の中での優先度(希望)では「仕事と家庭生活を同じくらい優先したい」とする回答が約半分を占めた。ただ、現実の生活においては「仕事を優先」が55%を占め、「仕事と家庭の両立」は17%にとどまっている。

 こうしたギャップが生まれるのはなぜか。日本人が伝統的に持つ性別役割分担意識に加え、過重労働など社会の厳しさが影響していることが考えられる。頭では分かっていても、行動につなげられないというケースも多いのだろう。

 ただ、それを受容してきた姿は国際社会からは異質に映る。国連のグテレス事務総長は昨年、日本に対して男女共同参画の政策を取るよう促した。男女格差を測る国際的な指標としては国連開発計画のジェンダー・ギャップ指数がある。経済、教育、健康、政治の4分野のデータから作成されるが、日本は男女不平等の項目が多く、昨年の順位は前年の110位から順位を下げ、153カ国中121位と過去最低を記録した。対策強化は待ったなしだ。

 こうした状況の中、一つ注目したいのは県職員の女性管理職の登用である。山口祥義知事は男女共同参画の推進に熱心で、小林万里子氏が昨年、女性として初めて副知事に就任した。女性管理職の比率(知事部局)は今年4月で12・7%となり、本年度までに12%としていた目標を達成している。

 今回の調査で、県は女性の意識にも注目している。職場での管理職登用をはじめ、PTA会長や子ども会会長、議会議員への就任について尋ねたところ、「やれる自信がない」との回答が男性より多かった。県は「若い時からの経験など、女性が自信を持って社会の中で挑戦できるように支えていかなければならない」と語る。

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響は甚大だが、テレワークや在宅勤務が広がり、ワークライフバランスを見つめ直すきっかけにもなった。新しい働き方や生活様式が、女性にとって社会進出の追い風になるとの見方もある。ピンチをチャンスに変えたい。(杉原孝幸)

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