鉄鋼の溶接時に用いる固定器具を新たに考案した百武晃さん(右)と栗原宏太さん=伊万里市の九州内田鍛工

 電力資材や鋼構造物などを手掛ける九州内田鍛工(伊万里市)で、溶接や組み立てを担当する百武晃さん(48)と栗原宏太さん(27)は、鋼材を固定する器具を新たに開発した。ロボットによる溶接が可能になり、誰でも同じ品質の製品が作れるようになった。

 高速道路などに取り付ける落下防止柵の支柱を約7千本作ることになったことを契機に、工程を見直した。従来は仮に組み立てる役と、仕上げの溶接をする役の2人が必要だったが、仮組み立てを固定器具で代用し、溶接もロボットを用いることにした。

 固定器具は一部を切り抜いた円筒形にすることで、鋼材を入れたまま回転させて角度を変えられるようにし、ロボットによる溶接を円滑に行えるようにした。百武さんは「ずれずに固定できるかが一番の課題だった」と振り返る。

 熟練の溶接工が2人必要だった作業が、ロボットの操縦担当者1人に削減でき、安全性が向上した。溶接時間も1本当たり10分から6分になり、全体で約58日分の短縮になったという。

 同社が創意工夫功労者の表彰を受けるのは初めて。百武さんは「固定概念にとらわれない若手の気づきに助けられた」とねぎらい、栗原さんは「さらに改善に挑み続けたい」と気持ちを新たにしている。

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