移転建て替え工事を進めていた佐賀市久保田支所の新庁舎が同町新田に完成し、1日から利用が始まった。市内7支所で初となる複合施設で、公民館と市立図書館久保田館が入る。「思斉くらし総合センター」の愛称で、住民の生活や活動を支える。
同じ敷地にあった支所と公民館の老朽化と県道の拡幅に伴う工事で、新たに図書館分館を設けた。複合施設は旧庁舎の南西約300メートル先にあり、久保田保育園の南側に位置する。耐震構造で、鉄筋コンクリート造りと木造の地上2階建てで、延べ床面積は約1240平方メートル。旧庁舎に比べ、約半分の広さになっている。
1階が支所と公民館、図書館で、2階は会議室。外観は、クリークに水が流れる様をイメージした流線形の屋根が特徴。太陽光パネルと非常用発電機を設置している。昨年7月から工事に入り、解体費などを除いた総事業費は約7億7千万円。
開所式で秀島敏行市長は「地域の皆さんの活動や発展の要の場として活用されることを祈っている」とあいさつした。
久保田まちづくり協議会の久野英德会長は「市民の目線に立ち、使いやすい施設を目指して検討してきた。待ちに待った複合施設がきれいに完成し、ありがたい限り」と述べた。
利用開始に合わせ、同町出身の日本画家西岡一義さんが、地域の田園風景を描いた作品「春風の頃」を施設に寄贈した。