(イラスト 清水紗羅巳)

 政府が新型コロナウイルスの感染防止に向けた接触確認アプリを開発しているというニュースを見た中学生の祐介さん。IT企業に勤める父親の孝さんに詳しく聞いた。【共同】

 祐介 どういう仕組みなの。

 孝 スマートフォンにアプリをダウンロードした人同士が1メートル以内の至近距離に15分以上いると「ブルートゥース」と呼ばれる無線通信機能を使ってお互いのスマホに記録が残る。記録は14日間保存されることになっている。

 祐介 それで。

 孝 病院で検査を受けて陽性と判明した場合、本人がアプリに入力する。そうすると記録が残っている人のスマホに「感染者と濃厚接触した可能性があります」というメッセージが届く。政府は、通知を受けた人は濃厚接触者を管理する厚生労働省のシステムに登録してほしいと呼び掛けている。6月中旬にもアプリの提供が始まる予定だ。

 祐介 何でアプリが必要なの。

 孝 今は保健所が感染者に聞き取りをして濃厚接触者を割り出している。だけど職員の人手が足りなかったり、感染者の記憶が曖昧だったりして十分に対応できていない。濃厚接触者にいち早く連絡を取って感染拡大を防ぎたいんだ。

 祐介 なるほど。

 孝 新型コロナとの闘いは長丁場になると言われていて、できるだけ人との密接な接触を避けることも必要だ。アプリは1日に何回、人と近距離で接触したかを教えてくれる機能を備えることも目指している。

 祐介 僕の行動がばれるのかな。

 孝 衛星利用測位システム(GPS)を使った位置情報は扱わない。スマホに残る記録は利用者に適当に割り振られた番号で、個人を特定できない形になっている。いつ、どこで、誰と接触したのかは利用者や国にも分からず、プライバシーに配慮しているよ。

 祐介 課題は。

 孝 効果を上げるには利用者が増えることが重要だ。たくさんの人が使わないと、実際に接触していても記録が残らないからね。先行して始まったシンガポールでは人口の約5分の1にとどまっているけど、最低でも6割の利用が必要だと言う専門家もいる。

 祐介 海外でも導入が広がっているの。

 孝 オーストラリアやインドで導入されており、検討中の欧州の国も多い。米国IT企業のアップルとグーグルはスマホを動かす基本ソフト(OS)が異なっていても連携できるように基盤を整えた。

 祐介 僕もアプリを使えるようスマホに買い替えてほしいな。

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