グラウンドゴルフの休憩時間におしゃべりを楽しむ高齢者たち=伊万里市大坪町

児童とあいさつを交わしながら交通指導員をする山下剛司さん=伊万里市大坪町

 佐賀県で新型コロナウイルスの緊急事態宣言が解除されて半月が過ぎた。感染すれば重症化しやすいため外出を控えていた高齢者も、予防に気を配りながら外での活動を再開している。5月下旬、日常を取り戻しつつある伊万里市内の高齢者を訪ねて回った。

 小中学校の再開に伴い、子どもの登校を見守る交通指導員の活動も始まった。

 「やっぱり朝日に当たると体の調子がいい」と話すのは、大坪小の前で20年、朝の路上に立ってきた山下剛司さん(81)。昨年妻を亡くして1人暮らし。外出自粛中は児童たちのことが頭に浮かんだ。「おはようございます」。元気に登校する姿に顔をほころばせながら、あいさつを交わしていた。

 学校のチャイムが鳴って山下さんが務めを終えた頃、近くの広場にスティックを持った高齢者が集まってきた。市内ではグラウンドゴルフも再開された。

 自粛中、草むしり以外はテレビを見るしかなかったという大久保清光さん(84)は「週に1度プレーするだけでも、体と気持ちの張りが違う」。田口洋子さん(78)も「誰とも話さんやったけん、口から言葉が出なくなりよる。こうしてみんなと会話するのが一番」と笑った。

 外出自粛は長引くと体力や意欲の低下を招き、特に高齢者の場合は持病の悪化など健康を損なう恐れがある。

 このため、市は休止していた介護予防の体操教室を6月から再開する。市内44カ所に約千人の愛好者がいて、少人数での実施やこまめな換気など、感染対策が整った会場から順次始める。市内に4カ所ある高齢者交流施設も、利用制限を緩めていく。

 ただ、施設は開放されても、活動を再開するか悩んでいるサークルも多い。主宰する民謡舞踊教室を3カ月休んでいる杉原朝子さん(80)は「みんな早く踊りたいと言ってくれるけど、今の状況では判断できない。とりあえず一度会って話し合いたい」。他県では再び感染拡大の恐れも出ている中、慎重に決めたいという。

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