教員免許取得を卒業要件としている国立の教員養成系大学・学部44校のうち、新型コロナウイルス感染拡大によって、学生の教育実習が延期されるなどの影響を受けているとした大学は、全体の9割を占める40校に上ることが28日、共同通信の調べで分かった。同じく小中学校の免許取得に必要な介護等体験についても、9割近くが影響が出ていると回答。「教員の卵」の育成に不安が広がっている実態が浮かんだ。

 調査は5月12~19日に実施し、42校が回答。このうち、教育実習については弘前大、岐阜大、京都教育大、琉球大など34校が「大きな影響が出ている」と回答し、6校が「やや影響が出ている」とした。「あまり影響は出ていない」「その他」は1校ずつだった。

 自由記述で影響の具体的な内容を尋ねた結果では、ほぼ全校が、実習の受け入れ先となる小中学校などの休校長期化によって、春に予定していた教育実習が9月以降に延期になったとした。

 さらに「本年度の受け入れを取りやめる連絡も届いている」「受け入れ不可となった場合、別の受け入れ先の確保は困難」とした回答もあり、免許取得そのものが難しくなる可能性を示唆。秋以降に実習が集中することで日程調整が難しくなることや、自治体による採用試験の混乱を懸念する意見もあった。

 社会福祉施設などで実施する介護等体験については、埼玉大、静岡大、兵庫教育大、熊本大など32校が「大きな影響が出ている」と回答。「やや影響が出ている」は7校、「あまり影響は出ていない」は2校で、「その他」が1校だった。

 教育実習と同様、秋以降へ日程を変更したり、来年度以降に延期したりするなどの対応を進める大学が多い一方、「希望者全員が実施できないことが懸念される」という大学があった。重症化リスクが高い高齢者施設へ学生を派遣することについて「実施するかどうかの判断が難しい」と悩む声も上がった。

 文部科学省は通知で、教育実習や介護等体験を必要に応じて秋以降とすることや、教育実習は一部を授業で代替することなどで期間を短縮できるとした。この対応には、9校が「十分である」とした一方で、19校が「十分ではない」と回答。特に介護等体験の実施が不透明だとし、一部免除や卒業後の体験でも可能とするといった弾力的な運用を求める声が目立った。【共同】

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