NHKの朝ドラ「エール」に志村けんさん(享年70)が出演していた。コロナで亡くなる前に収録された分で、音楽家の山田耕筰を渋く演じた。映画「鉄道員(ぽっぽや)」での演技が評価されているように、役者としても活躍しただろうと思うと改めて残念でならない◆コロナにより世界で35万人、日本では800人を超える人たちが亡くなった。ドイツのメルケル首相による、3月の国民向け演説を思い出す。「私たちがこの危機を乗り越えられるということに私は全く疑いを持っていません。けれども、犠牲者が何人出るのか、どれだけ多くの愛する人たちを亡くすことになるのか、それは大部分、私たち自身にかかっています」◆つまり、これまでの悲しい死別の上に私たちが生きていられるということであり、亡くなった人の無念さや思いを背負って生きていく責務があるということだろう。志村さんが主演を務めるはずだった映画「キネマの神様」は歌手の沢田研二さんがバトンを引き継ぐ◆志村さんは「コントは一人じゃできない。ドリフの笑いはチームワークから生まれた」と語っていた◆北九州市で再びコロナ感染者が増えている。これ以上の犠牲を出さないで済むよう、もう一度チームワークで進んでいきたい。志村さんもきっと「だいじょうぶだぁ」とエールを送ってくれている。(義)

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