今年で最後になる吉田さんの竹羽瀬

 かつて有明海沿岸に100カ所以上あったといわれている竹羽瀬(たけはぜ)は、昭和の終わりごろ(1980年代)には30カ所を切っていた。その後、徐々に獲物が入らなくなって10年ほど前から撤退が相次ぎ、今は佐賀市東与賀町の吉田幸男さん(64)のものだけになった。

 その吉田さんも昨年からイカゴ(ベイカ)が入らなくなったため、今年限りで撤退することを決めた。毎年4月に長さ15メートルのモウソウチク600本を補充しているが、補充にかかる100万円超の費用を超える額が稼げなくなったためだ。

 この竹羽瀬は引き潮専用で、この辺りには三十数年前までは四つか、五つあった。大牟田と太良の中間地点にあり、今でも“八つ羽瀬”と言われてる。V字状に竹を立て、潮の流れに乗ってくる魚やエビなどを捕る仕掛けで、すぼまったところに袋網を取り付けている。

 以前は一晩出れば10万円ぐらいの漁獲があったといわれていたが、今はイカゴやマエビが捕れないと収入につながらない。潮の流れが弱くなり、操業できる日数が少なくなったことも撤退の理由という。(写真家 中尾勘悟=鹿島市)

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