マスクをしたまま透析を受ける患者。週3回長時間かかる透析患者にとって、新型コロナウイルス感染は命にかかわる問題に直面している(提供・佐賀県腎臓病協議会)

 普段から通院を余儀なくされている佐賀県内の人工透析患者らが、新型コロナウイルスへの不安を募らせている。全国的に感染の広がりは落ち着いているが、当事者らの団体は県などに対し、透析治療を行う医療機関で院内感染が発生した場合の代替案など、感染を回避する対応策と適切な情報提供を求めている。

 日本透析医会によると、22日現在で感染した全国の透析患者数は96人で、14人が亡くなっている。NPO法人・佐賀県腎臓病協議会(佐腎協)の南川正一常務理事は「透析患者は糖尿病など基礎疾患の持病があり、免疫の働きも低いため、重症化に陥りやすい」と説明する。

 4月以降、全国で透析設備のある医療機関での集団感染が相次いだ。福岡県などでは感染した透析患者の重篤化が早い症例が報告された。日本透析医会はこの時期、「透析患者は無症状、軽症でも入院措置を」と、全国の医療関係者や患者団体に通達した。

 県は、厚生労働省の指針などもあり、透析患者や妊婦、がん治療など基礎疾患がある患者らに対しては、PCR検査で陽性と分かれば、無症状でも感染症指定医療機関での入院措置を示している。ただ、通院する医療機関で院内感染が生じた場合の透析治療の代替案が、県などから示されていないという。

 県内の透析患者数は約2500人。多くが高齢者で週3回1日おきに透析を受けなければならず、移動自粛の要請があっても通院せざるを得ない。南川常務理事は「平静さを取り戻しつつある今こそ、関係機関は、透析患者を感染から守る具体的な対策を示してほしい」と強調する。

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