線区別収支の公表について「どうやれば維持できるかを地元の皆さんと考えていくのが最大の目的」と説明したJR九州の青柳俊彦社長=福岡市のJR博多シティ

 JR九州は27日、1日1キロ当たりの平均通過人員が2千人未満だったのは2018年度に17線区あり、営業損益が全て赤字だったと発表した。佐賀県内の線区の赤字額は筑肥線(伊万里―唐津)が1億9300万円、唐津線(唐津―西唐津)は2億2900万円で、ローカル線の厳しい現状が改めて浮き彫りになった。同社が線区別の収支を幅広く公表したのは初めて。

 沿線の自治体や住民に利用促進の手だてを考えてもらいたいとして、青柳俊彦社長が福岡市での会見で説明した。「将来的な鉄道網の維持可能性を高めるために知恵を出し合いたい」とし、複数の線区で立ち上げた自治体との検討会で対策を講じる考えを示した。

 運賃などの営業収益から、運行にかかる人件費や燃料代などを営業費として差し引いた金額を公表した。伊万里―唐津では営業収益3900万円に対し、営業費は2億3200万円、唐津―西唐津は営業収益3300万円、営業費2億6200万円だった。

 筑肥線の唐津―筑前前原(福岡県)と筑前前原―姪浜(同)、唐津線の久保田―唐津は2千人以上で、公表の対象外としている。

 JR九州管内には全59線区があるが、公表対象を限定した点について青柳社長は「ローカル線では30年前と比べて平均通過人員が7割以上減っているところもある。まずスポットを当て、一企業だけで維持するのは大変だということを理解いただく」と述べた。

 17線区を廃止したり、バスなど別の交通形態に転換したりする可能性に関しては「結果としてあるかもしれないが、今の段階でそれらを前提に議論することは考えていない」と話した。

 赤字額が最大だったのは日豊線の佐伯(大分県)―延岡(宮崎県)間の6億7400万円。災害の影響があった日田彦山線などは公表していない。

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