佐賀県の山口祥義知事は26日、新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言の全国での解除を受け、首都圏と関西圏、北海道との往来は引き続き自粛を求める指針を発表した。政府は関西圏への移動制限を緩和するが、リスクが高いと判断した。加えて、感染確認が相次ぐ北九州市との往来も自粛を要請した。市町対象の移動自粛は異例。山口知事は「国の基準に引きずられず、足元の状況に着目して判断する」と述べた。

 山口知事は、九州内の移動については6月から制限を緩和し、家族や友人との観光も認めるとした。政府の方針では県をまたぐ観光は6月19日から徐々に再開し、8月から全面再開としているが、「国の観光再開はかなり先。団体旅行でなければ構わない」とした。医療体制が十分ではない離島への渡航は慎重を期すよう求めた。

 県庁で開いた対策本部会議で、北九州市では23日からの3日間、新規感染が12人確認され、うち11人の感染経路が不明との報告があった。山口知事は記者団に「北九州から第2波が始まりかねない重大な事態だ」と懸念を示した。「今後の状況はリアルタイムで県庁のホームページで伝える。県民には東京からの報道だけではなく、県庁を見てほしい」と呼び掛けた。

 政府は、県をまたぐ移動の自粛について北海道と首都圏4都県(埼玉、千葉、東京、神奈川)以外は6月から緩和する方針だが、佐賀県は独自に関西圏3府県(大阪、京都、兵庫)も移動緩和の対象から外した。「無症状のケースもあり、感染者の数字以上に関西圏にはリスクがあると考えるべき」とした。

 山口知事は政府方針と異なる対応をする理由として「危機管理の鉄則は現実に起きている事態と向き合うこと。政府の一括した対処方針をうのみにするのではなく、地域ごとに考えるべきだ」と強調した。

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