新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、市町議会で3月定例議会に続き、6月定例議会でも一般質問を中止したり、人数を絞ったりする動きが出ている。感染拡大防止や経済支援策などで繁忙となっている行政担当者の負担軽減に配慮することを主な理由としている。感染防止は重要で住民の不安解消のためには一定理解するところもあるが、議会の本来の役割を果たすことが十分にできるだろうか。社会が大きく変わっていく中、コロナ禍の議会のあり方を考える必要がある。

 新年度当初予算案を審議する3月定例議会で、一部取りやめを含めて一般質問を実施しなかった議会は佐賀市をはじめ10市町に上る。一方で、7市町が予定通り、唐津市と鳥栖市が日程を入れ替え、伊万里市が時間を短縮して実施した。県議会は通常通り、代表質問、一般質問をこなした。3月に実施した小城市は一転、6月の中止を決めた。国の特別定額給付金に関する業務や追加支援策を検討する市職員の状況を考慮したと説明している。3月に見送った武雄市は逆に「1会派1人」に制限することで行う。

 一般質問の意義はどこにあるのか。予算など議案に関係する内容だけでなく、行政全般をテーマに質問できる。本会議場で首長ら執行部に課題や疑問をただす機会となり、住民の関心や期待が集まり、議員活動が「見える」場でもある。3月議会で実施したところでは、新型コロナウイルス関連以外でも、その自治体の重要課題を指摘し、住民の困り事を挙げ、チェックしている。

 中止を決めた議会が理由に挙げるように、新型コロナウイルス感染拡大を防止するための非常事態の中で、行政側に協力する姿勢を示すことは理解できる。議会の都合だけで職員への負担を増やさないよう配慮が必要なことも確かだ。ただ、一般質問の中止がそれに当てはまるのかという疑問は消えない。議員が自らの権利を返上していることになりはしないのか。

 行政の感染防止策や中小企業を中心とした経済対策、子どもや高齢者、障害者への支援策が適切かどうか、コロナ禍により、しわ寄せが来ているところに、行政の目は行き届いているのかといった検証は欠かせない。議員たちは感染防止に努めながらも住民の声をすくい上げ、それを執行部に伝え、現場の問題を認識、解決させる役目がある。そのやりとりの一端が一般質問である。

 さらに、新型コロナウイルス以外の、これまでの課題がどうなっているのか、または新しい別の課題が浮上してきていないのか、取り上げるテーマは事欠かない。

 本来の姿ではないが、人数を絞ったり、時間を短縮したりと、工夫を凝らして実施する議会も少なくない。形式を重んじ、旧態依然の感が否めない組織ではあるが、形式にこだわりすぎないよう、柔軟な姿勢で臨むことが肝要だ。同時に、過度の自己規制に陥らないよう、あるいは、緊急的な特例が常態化しないよう、常に留意することも求められる。

 住民の代表として、行政がきちんと機能しているのか、非常事態に対応できているのかを点検し、確認していく。一般質問の場は、議員としてその役割をきちんと果たしているかを、住民がチェックできる場でもある。(辻村圭介)

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