仕掛けていた網を引き上げる吉田幸男さん(右)と息子の征司さん=佐賀市川副町沖の有明海

モウソウダケを海底に突き刺し、仕掛けを準備する吉田さんら=4日、広江漁港から30分ほどの有明海沖

一辺200メートルの竹羽瀬。V字の先端に網を仕掛ける

漁のメインとなるイカゴ。体長10センチほど

 佐賀市川副町沖の有明海で、干満の差を利用した伝統漁「竹羽瀬(たけはぜ)」が始まった。漁業者は引き潮で潮流が速くなった海で、仕掛けた20メートルほどの網を引き上げた。

 竹羽瀬は干満の差が大きい有明海ならではの漁で、約2千本の竹を海中にV字に立て、200メートル先の網へと魚を誘導。引き潮に乗って魚やイカが入った網を一気に引き上げる。漁は大潮の前後1週間行う。

 漁師の吉田幸男さん(64)は、本業のノリ漁が始まる11月までを竹羽瀬で漁に出る。30年前までは有明海全体で30個以上あった仕掛けも、現在では吉田さんのものだけ。「諫早湾干拓事業などの影響で年々潮流が弱くなり、仲間もやめていった」と吉田さん。

 昨年もメインとなるイカゴが不漁で、「長年やってきたこの漁も今年で最後」と別の漁への転換を決めた。

 漁へ出た21日は波が高く、大きく揺れる船上から息子の征司さん(38)と協力して網を引いた。期待したイカゴは10匹ほどしか捕れなかったが「暑くなるころが本番」と長年守ってきた漁を焦らず、最盛期の夏を待つ。

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