感染者の増加を予防するために、緊急事態宣言が4月7日に発令されました。以来、教育機関では、学生および教職員が学校へ来ることを極力控えるように指示され、私も在宅勤務が原則となり(週1日は電話対応や教職員(休職中)の方々の関係者面談のために出勤)、毎日自宅でどのような仕事を行ったかを日記に記載して提出することになりました。

 悩める方との相談は対面で1人50分くらいかけて話していましたが、それも不可能となり、無力感を覚えました。特に、例年のこの時期は新入生の入学式、全学年の健康診断などの行事とともに、遠方からの学生のホームシックなどの相談を受けることがありましたが、それも不可。講義も会議もインターネットによる遠隔操作での情報交換および提供となり、これまで使ったことがない通信ソフトを使い、ウェブ会議、ウェブ相談などを行っています。対面式のインタビューと異なり、パソコンの画面での診察は相談者の問題をどれだけ理解できるのか不安でした。感染症の脅威から、こういう時代が来るとは予想すらできなかったのです。

 しかし、時間の経過とともに、慣れてきました。同時に、悩む方々のアクセスを容易にする目的で、ウェブによる問診、相談、メンタルヘルスチェックなどの新たなシステムの構築を専門家の先生の援助で開発しました。すべて無駄な時間ではなく、将来的に、同じような事態(新型感染症の再来、地震など)が生じても、つながることができるシステムの構築が出来上がり、将来の緊急事態に備えるための初めての契機となったわけです。

 外に目を向ければ、市街の食堂が次々にオリジナル弁当を工夫し、販売していました。そして、「3蜜」を避けるという新しい行動様式の変化。あらゆる方面で「新しい時代の到来」を感じさせます。このような変化に対しても、私たちは「あるがまま」の姿勢で臨めば、自然に問題解決につながるのだなあと痛感した次第です。(九州大学キャンパスライフ・健康支援センター教授・副センター長・統括産業医 佐藤 武)

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