数字牌(はい)と字牌の計136枚を使うマージャン。大三元や字一色(つーいーそー)、国士無双など役満の姿形は美しく、運も重ならないと上がれない。頭を使うし勝負勘も要求され、賭けない、飲まない、吸わないの「3ないマージャン」なら高齢者にもお勧めだ◆定年延長問題の渦中にあった東京高検の黒川弘務検事長が新聞記者らと賭けマージャンをした疑いが明るみに出て、きのう辞表を提出した。緊急事態宣言がきのうも解除されなかった東京都内での「3密交遊」。辞職はやむを得ないだろう◆「検察の理念」に「判断がゆがむことのないよう公正な立場を堅持すべき。権限の行使に際し、いかなる誘引や圧力にも左右されないよう厳正公平、不偏不党を旨とすべき」という一文がある。悪事追及へ大きな権限を持っているからこそ、自らに厳しくあれという崇高な理念だ。そんな理念を汚しそうな検察庁法改正に異議が広がり、改正案の今国会成立が断念されたばかりだというのに◆作家阿佐田哲也さんの小説『麻雀(まーじゃん)放浪記』で、14枚の牌が配られた時点で役ができている「天和(てんほう)」の役満で上がる場面がある。もちろんイカサマだが、小説はばれなければ勝ちの世界◆そんな無法地帯があるとは思いたくないし、権謀術数を駆使してつかんだ栄華ははかないだろう。「栄枯盛衰は世の習い」である。(義)

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