ビニールカーテンにボタンなど有田焼の伝統的な絵柄を描く金ケ江美里さん=有田町のキルンアリタ

ウェルカムの文字を添え、店名や花などを描いたビニールカーテンを手にする矢野億子さん=有田町本町のGARO

 新型コロナウイルス対策で、店舗のレジ前に設けられている無機質なビニールカーテンにアーティストらが絵を施して、笑顔になれる空間に変えようというプロジェクトが19日、有田町で始動した。コロナ禍で活躍の場が減るアートのプロたちが、スキルを発揮する新たな場としての役割も期待される。

 プロジェクト「レジ前おむかえアート」は、代表で有田町のデザイナー、小松大介さん(44)ら3人が始めた。アーティストの矢野億子さん(49)=武雄市=が、市内の店から「殺風景で気がめいる」と、ビニールカーテンに絵を描く依頼を受けたことがきっかけだった。

 初日はまちづくりグループの発注で、JR有田駅前の3店舗で実施。アーティストが、店主らの希望に沿う絵やイラスト、店名、「WELCOME」の文字を描いた。

 キルンアリタ内の観光案内所では、絵付け師の金ケ江美里さん(42)=有田町=が青や緑のアクリル絵の具で、有田焼の伝統的な絵柄を表現。大輪のボタンや、無病息災を表す六つのひょうたんや繁栄を意味するたこ唐草を描き入れた。洋服と雑貨のセレクトショップでは花やおしゃれした骸骨など、唐揚げ店ではキャラクターの鶏やレモンの絵が彩った。

 店主らは「透明のビニールなので、お客さんだけでなく、レジのスタッフも絵が見えてほっこりする」「お店のインテリアみたい」と、アートがもたらす効果を実感していた。

 有田焼など陶磁器産地はコロナ禍で受注が激減し、職人の離職や廃業が懸念されている。「職人の減少は産地存続に関わる。スキルを維持したり、焼き物以外の分野でも技術を発揮したりする環境を整えられれば」と小松代表は話す。

 料金は、レジ1台に使うビニールカーテン1枚に付き税別1万円と、交通費(武雄市、有田町は無料)。店舗側からの注文を受け付けるとともに、描く側のアーティストも募っている。問い合わせは小松さん、電話090(4487)9116か、ウェブサイトは「レジ前おむかえアート」で検索する。

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