「ふらっと箸置き」を製作している漫画家の久住昌之さん(左)と嬉野市の窯元「224porcelain」の辻諭さん(提供)

「ふらっと箸置き」カラー

 テレビドラマ「孤独のグルメ」の原作者で漫画家の久住昌之さんが、嬉野市の窯元に協力を得て製作した箸置きのネット販売を始めた。絵付けは久住さん自身が一つ一つ手描きしており、久住さん自身の穏やかな空気感をそのまままとった独特の風合い。種類によってはネット販売直後に品切れとなるなど人気を呼んでいる。

 「ふらっと箸置き」と名付けられた箸置きは、久住さんが両手を後ろ頭に寝転んでいる造形。服装の絵付けによって「スタンダード」(1650円)、「カラー」(2200円)、「プレミアム」(3300円)の3種類がある。

 協力したのは嬉野市嬉野町の産地「肥前吉田焼」の窯元「224porcelain(ポーセリン)」の辻諭さん(40)。久住さんが描いたイメージイラストを基に3Dで型を作成。素焼きまで行って東京に送ると、久住さんが専用の絵の具で一つ一つ絵付けし、オーブンで仕上げの焼成をしている。

 箸置きはこれまで、ミュージシャンでもある久住さんのライブ会場で販売してきた。新型コロナウイルスの影響でライブの実施が困難になっている状況などを受け、専用サイトを立ち上げネット販売を始めた。

 久住さんは2017年に初めて佐賀を訪問。嬉野の温泉や湯豆腐を堪能し、辻さんの工房も訪れて絵付けを楽しんだ。絵付けの難しさや完成品の出来映えから「また佐賀に行きたい」と心をつかまれたという。

 以来、2、3カ月に1度のペースで佐賀を訪れ、思いが高じて週刊誌「漫画ゴラク」では毎月2回、佐賀をテーマにエッセーを連載している。

 久住さんは佐賀について「行く度に『そんなの聞いてなかった』と知らないことに出合う。最近も、ライギョが釣れるので有名とか、えびすさんが日本一多い街だとかを知った。まさに“意外性”の県」と印象を語る。また佐賀の焼き物文化について「初めて辻さんの工房に行った時、全国で買える佐賀の茶碗が手描きと聞き、すごく驚いた」と称え、その体験から自身も箸置きの手描きにこだわっているとした。

 辻さんは「半分遊びのように楽しんで作っている作品。久住さんがあちこちで紹介するたびに、『肥前吉田焼』という産地の名前やうちの屋号も発信してくれるのがうれしい」と話した。

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