4月からテイクアウトに取り組み始めたという佐賀市のすし店。傷みやすい生もののメニューでは、調理時間などに神経を使う

 新型コロナウイルス予防に神経を使う日々が続く中、佐賀県内では、梅雨期にかけて上昇していく暑さ、湿気対策とどう両立させるか頭を悩ませる声が出ている。感染リスク低減で換気が推奨されるが、高温多湿な時期に窓を開けての換気では食中毒やカビの懸念がある。「どうすれば…」。飲食店などの事業者、市民も知恵を絞り始めている。

 佐賀市の美容室「EARTH佐賀夢咲店」では、エアコンを稼働させながら、入り口付近の窓などを開けている。「こうしないと、お客様もスタッフも不安になる」とオーナーの楠本圭輔さん(41)。エアコンだけでは換気にならないからだ。ただ、雨風が強い日は店内に雨が入り込むため、こうした対応がいつまでできるのか気をもむ。

 コロナ禍で料理のテイクアウトや宅配を始める店舗が増え、各地域で情報サイトが立ち上げられている。「初めて取り組む店舗がほとんど。(衛生上の問題で)料理は注文が入ってから作ることを呼び掛けている」。鳥栖市と近郊の店舗を紹介するサイト「Tottoto(とっとっと)」を立ち上げた高尾真一郎さん(43)は、60を超える参加店に食品衛生指導員としての知識を伝える。

 「梅雨は食中毒が最も出やすい。注意が必要」と高尾さん。参加店からの要望で各店の弁当を自身の店に集めて販売もしたいが、リスクとの兼ね合いで悩む。

 佐賀市のすし店は4月から、海鮮丼などのテイクアウトメニューを設けた。傷みやすい生ものだけに、調理時間や保冷剤の活用など工夫を凝らす。店内でも密集など「3密」への対策を進めるが、代表の男性(40)は「夏場は蚊が入ってくるので、出入り口を開放するわけにもいかない」と解決策を考え中だ。

 子どもの学校や家での過ごし方に不安を示す子育て世代も。小学3年と1年の子を持つ豊島千織さん(47)=小城市=は「梅雨時期は湿気で換気ができないので、どうしても窓を閉め切らないといけない。エアコンを使うときも窓を閉めるので、密閉空間ができやすいのでは」と指摘。家でも湿気の問題と換気をどうするか思案する。

 換気が推奨される中、小城市のホームセンターでは、網戸の取り替え用のネットや隅を押さえるゴムが例年より売れている。担当者は「毎年この時期は需要が高まる」とした上で「より換気への意識が高まっており、買っていく人が多いのでは」と話した。

 気象庁によると、佐賀県を含む九州北部の梅雨入りは平年で6月5日ごろ。昨年は6月26日だった。

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