簡単な仕組みでできる誤発進防止装置の試作品

車の誤発進防止装置で実用新案を取得した津田幸夫さん。自宅の作業場に「津田手駆能労爺(テクノロジー)」の看板を掲げる=伊万里市波多津町

 佐賀県伊万里市波多津町の津田幸夫さん(82)が、自動車のペダルの踏み間違いによる誤発進を防止する装置を開発した。市販されている多くの後付け装置と異なり、電気を使わないため簡単にアクセルの下に設置できるのが特長で、「安い価格で商品化し、高齢運転者の事故を減らしたい」と語る。

 装置はアクセルと床の間に入る大きさで、電気ではなく水を利用して作動する。上部がゴムでできた容器の中に水が充満し、アクセルを急ブレーキ程度の強さで踏むと、水は圧縮しない物質なので踏み込めない状態になる。ゆっくり踏んだ場合は小さな逃げ穴から水が流出し、通常の加速ができる仕組みになっている。

 昨年末、「AT車アクセル誤踏み込み防止安全装置」の名称で特許庁の実用新案を取得した。

 津田さんは大型船の機関士として74歳まで働き、その技術などを生かして地元特産の海水塩を作ったり、生活道具を発明したりしている。2年前、老人クラブの仲間が踏み間違いによる重傷事故を起こしたことをきっかけに、防止装置の開発に取り組んだ。

 水の特性を生かした仕組みはすぐに思い付いたが、試作品作りは試行錯誤を重ねた。多くの人が購入しやすいよう低コストで仕上げることを心掛け、ホームセンターや100円ショップで材料を探した。現在は企業に商品化を売り込んでいる。「商品になれば電気制御の装置よりもかなり安く、簡単に設置できるようになる。事故を一件でも減らすために、ぜひ実現させたい」

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