JR佐賀駅に到着し、改札を通る利用客。緊急事態宣言解除後も特急の減便は続いている=16日午前、佐賀市

買い物を楽しむ来館者。県内外から少しだけ客足が戻った=神埼郡吉野ヶ里町の道の駅吉野ヶ里さざんか千坊館

 新型コロナウイルスの緊急事態宣言が九州全県を含む39県で解除されて初の週末となった16日、佐賀県内の主要駅の利用者や観光地への来客は少なく、引き続き自粛ムードを漂わせる静かな休日となった。ただ、県が日常生活に伴う福岡県への移動は制限しない方針を示したため、わずかながら県境を越える人の動きが増え始めた。

 福岡県との県境にある道の駅吉野ヶ里さざんか千坊館(神埼郡吉野ヶ里町)。駐車場には佐賀ナンバーよりも福岡ナンバーが目立った。緊急事態宣言の発令中は来店を自粛していたという福岡市の男性(73)は「待ちこがれとったとよ」と笑みを浮かべ、目当ての野菜をかごに入れた。県境を越えてすぐの那珂川市から夫と訪れた女性(53)は「(発令中は)すぐ隣だけど、福岡だから来るのが後ろめたかった」といい、「解除されてよかった」とほっとした表情を見せた。

 佐賀市のJR佐賀駅は人通りがまばらで、改札口付近には博多や長崎に向かう特急列車の運休情報が出されていた。親類の葬儀のために夫婦で博多方面の特急に乗車した佐賀市の女性(78)は「ずっと自宅に引きこもっていたけど、少し落ち着いてきたようなので行くことを決めた。感染拡大が深刻な時期だったらとても参列できなかった」と話した。

 唐津市のJR唐津駅も同様で、福岡市のスポーツジムに勤めている男性(21)は「コロナの影響で仕事がなくなり、福岡で働かざるを得なくなった。向こうの電車やバスはガラガラで、宣言も解除されたけど、まだまだ感染が怖い」と眉をひそめた。

 県外からの来客が多い唐津市の呼子朝市。大型連休の前から出店数が減り、干物店の従業員(69)は「今日も開けているのは4、5軒ほど。解除してもお客さんはすぐは戻らんけんね」とつぶやいた。一方、福岡市から友人と訪れた女性(31)は「まだ人の外出は少ないから、3密にはならないだろうと思った。経済も回していかないと」と話した。

 福岡県境の鳥栖市、三養基郡内のパチンコ店は駐車場に設置していた「県外からの来店お断り」の立て看板が撤去され、客の住所の確認に当たった従業員や警備員の姿もなくなった。各店とも「久留米」などの県外ナンバーが目立って増えたということはなく、ある店は「お客さんの数は通常の土曜と全く変わらない。福岡県内のパチンコ店が営業再開した影響もあるだろう」と話した。

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