試験的にオンライン授業を実施する神埼清明高。画面に映った生徒と対話しながら授業を進めた=神埼市の同校

 新型コロナウイルスの影響で、佐賀県と県教育委員会が学習支援策として打ち出したオンライン授業について、各県立高が試行錯誤している。約3週間にわたる今回の休校期間中で各校の実施状況にはばらつきがあり、家庭の通信環境や教師のスキルアップなど課題も浮き彫りになった。14日から学校は再開するが、今後の感染による休校に備え、取り組みを続ける。

 県と県教委は4月9日、県立高の全生徒に貸与する学習用パソコンを使ったオンライン授業に取り組むと発表し、全県立学校での展開を目標に掲げた。「オンライン教育推進チーム」は5月11日までに、29校でテレビ会議ソフトの使い方の研修会を開いた。

 県によると、11日時点でオンライン授業を試行したのは全県立高33校のうち23校。残り10校は研修を受けるのが遅かったり、休校の影響で生徒のパソコンの設定が終わっていなかったりして着手できていない。

 4月21日の休校開始以降、唐津西高は、10分前後の授業動画を生徒に配信する形で試行した。神埼清明高は、テレビ会議ソフトで介護福祉士の国家試験に向けた双方向授業を行った。

 伊万里高は、県がオンライン授業の方針を出す前の3月の休校中から、独自に準備を開始。校内研修などを重ね、5月11日から全教科、全生徒に展開した。

 一方で学校現場からは、通信環境の整備を求める声が上がる。オンライン授業を受けるには生徒の家庭がインターネット環境を整えていることが必須で、伊万里高でも通信環境のない生徒十数人は学校で授業を受けた。山口祥義知事はネット環境のない生徒に対し「大胆な助成」を打ち出しているが、推進チームの担当者は「これから支援が必要な生徒の数を調べる」と話す。

 県のICT利活用教育を推進する検討委員会のメンバーでもある佐賀大教育学部の板橋江利也学部長は「パソコンの前で普段のように板書しても、画面越しの生徒は文字が小さくて読めない。かえって分かりづらくなることもある」と話し、教師側のスキルアップの必要性を指摘する。学校規模や教科によって適した手法は異なるとして「双方向授業や動画配信、チャットなどを組み合わせ、授業の進め方を考える必要がある」と述べた。

 14日から通常の授業が始まるが、推進チームの担当者は今後の感染確認も見据え「次の休校を想定して準備を進める」と話している。

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