九州で唯一の「特定警戒都道府県」の福岡県を、新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言の対象から解除する政府方針が固まったことを受け、隣接する佐賀県内の行政関係者は13日、「思っていたより早い」と戸惑いを見せた。県境を越えた移動が増える可能性もあるとみて、一様に警戒感を示した。

 唐津市の幹部は「福岡との往来の自粛が緩くなるだろう。新たな感染者が出ないか、正直心配だ」と不安視した。政府の対応を見極め、15日に対策本部会議を開く。「順次開館している市の施設の利用条件などを改めて再確認する」方針だ。別の幹部はイベント開催に関しても「状況によっては関係者の意見を聞いた上で、開催可否の検討が必要になってくる」とした。

 鳥栖市は、通勤通学で1日2万5千人が福岡県と行き来する。これまで学校休校や公共施設の休館で厳しい対応を余儀なくされてきた。岩橋浩一健康福祉みらい部長は、両県が県境をまたぐ移動などに関し、どういった対応を取るのかを注視する。「そこを見極めた上でないと市の対応は決められない。当然、クラスター(感染者集団)が発生した久留米市などの状況は引き続き警戒していく」

 佐賀県は県内の外出自粛要請を解除した後も、福岡県を念頭に「県境をまたいでの移動は極力控えてほしい」と呼び掛けている。県幹部は「福岡の宣言が解除になれば、『なぜ移動を控えなければならないのか』と考える人が両県から出てくるのではないか。もっと段階的にやると思っていたが、特定警戒の県が一気に解除されることの影響は見通せない」と述べた。

このエントリーをはてなブックマークに追加