新型コロナウイルスの影響で先行きが見通せない中、県内の学校は14日、本格的に動き出す。授業時間の確保や感染者が出た場合の対処法など、さまざまな難しい課題が横たわり、長期間の休校を余儀なくされた各学校や教育委員会は緊張感が高まる。

 学校現場では、授業時間の確保が課題になる。新型コロナウイルスの感染者が急増した福岡県に隣接する鳥栖市と三養基郡3町の小中学校は休校期間が2カ月余りに及び、新年度に入っていったん再開した他の地区の学校も再び2週間のブランクが生じている。各市町の教育委員会は、夏休みの短縮や土曜授業などを模索する。

 鳥栖市と三養基郡3町は県内の他の地区よりさらに2週間、休校期間が長い。14日の学校再開に先立ち、児童生徒の密集を避ける「分散登校」を実施し、登校班づくりや健康診断などを済ませて準備をしてきた。

 休校中に出した課題について鳥栖市の天本昌明教育長は「復習はさせなくていい」と指示。予習を重視し、新学年の教科書を開かせて学校が始まってからの授業の準備を促した。授業時間を確保するため鳥栖市と基山町は1学期を8月7日までと夏休みを短縮し、学校行事も精選する。

 弥生が丘小(鳥栖市)の杉本光史校長は「他地区と2週間の遅れは単元一つ分の差。年間通して考えれば学習進度は取り戻していける」とみる。ただ、この時期からの授業開始は、どの教師も経験がなく「焦って先を急いで、子どもたちとの関係づくりが、おろそかになってはいけない」と気を引き締める。

 天野教育長は「従来、練習に何時間も使っていた卒業式も入学式も本番だけでやれた。コロナ禍で学んだことを生かし、学校行事や部活動で新たに踏み込んでいける部分も多いはず」と話す。一方、児童生徒や教職員に感染者が出ると再度休校となり、予定の大幅な見直しや一層の困難な対応が迫られる。

 他の地区の小中学校も、授業時間の確保策として夏休みの短縮を検討している市町が多い。唐津市教委は夏休みを7月23日から8月23日までとし、例年より10日間短縮することを決めた。前学年の未履修分の手だても必要で、市教委は「学年末の学習定着が十分ではない児童生徒がいると思って授業してほしい」と学校側に促す。

 佐賀市教委も夏休みを短縮して8月1日から23日にする方針を決め、再開後に正式決定する。小中学校の教室の空調設置は進んでいるが、「窓を閉め切ると『3密』状態となり、開けた場合にはエアコンでどこまで暑さを軽減できるか悩ましい」と気をもむ。夏場は登下校時の熱中症の懸念もあり、神埼郡吉野ヶ里町教委は夏休みの短縮と合わせて、土曜授業や7時間授業の実施についても可能性を探る。

 受験に不安を抱える生徒や保護者は多く、各学校は再開後の状況を踏まえながら具体的な対応を検討することになる。

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