眼科で日帰り手術を受けることになった知人の話。手術の日、不安げな表情をしていたのだろう。看護師が「大丈夫ですよ」と握手してくれたそうだ。「すごく気持ちが楽になった」という。かくいう筆者も初めて胃カメラ検査を受けた時、看護師が背中をさすってくれて安心できた。男は臆病で単純である◆きのう5月12日は、英国の看護師ナイチンゲールの誕生日にちなんで「看護の日」だった。今年は生誕200年でもある。ナイチンゲールはクリミア戦争の際、戦地で傷病兵を献身的に看護し、「クリミアの天使」といわれた◆近代看護教育の基礎を築いた彼女の理念は著書の『看護覚え書』で現在に受け継がれる。たとえば「病気は毒されたり衰えたりする過程を癒やそうとする自然の努力の表れ。体が回復に向かっていくプロセスを中断しないようにするのが看護」と記す。日本赤十字看護大学名誉教授の川嶋みどりさんは、看護の際、人が本来持っている「治る力」を忘れてはいけないということ、と解説する◆病院の外来で最初に患者と接する看護師。何げない会話や表情から患者の心理を読み取り、寄り添ってくれる。冒頭の「手当て」もプロの仕事だ。コロナ禍の最前線でもきっと、多くの患者を励ましている◆16日まで看護週間。天使たちの頑張りにあらためて感謝しよう。(義)

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