空も山も田んぼも花もすべてが溶け合って一緒なのだ

 毎年5月の連休明けの頃、田植えを眺めてほほ笑んでいるオオデマリが今年も輝いてまぶしい。カフェが臨時休業になり、その分いつもより田んぼに手を掛けられる。汗をぬぐい、ふと見上げるとその白い花が心身をほぐしてくれる。

 外出をなるべく控えている中で、日頃お世話になっている料理店のテイクアウトやデリバリーをよく利用する。どのお店も工夫して最高の料理を渡してくれる。野良仕事を終え風呂に入り、自宅で飲みながらそれをいただけるのは幸せでありがたさが染みる。

 先日は、目立てしたばかりの石臼でひいた蕎麦(そば)粉を分けてもらった。つなぎを一割にしてこねて伸ばすとどこまでも蕎麦の円盤が広がっていく。何もつけずに塩だけでもスルスルといけてしまう。亡くなった地域の方直伝のそば打ちだ。はにかむような笑顔と伸びた背筋が今も浮かぶ。

 今日は息子さんが田植えをしていた。何をしていようと誰でもみな、僕にとっては世界中で中心的な役割を果たしているのだ。(養鶏農家・カフェ店主 小野寺睦)

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